【ご相談内容】個人再生が官報公告される理由

個人再生は官報に掲載されるそうですが、なんでわざわざ、個人再生に関係する情報を掲載をするのでしょうか?

以前に、「破産者マップ」などで問題にもなりましたが、名誉・プライバシーの関係を考慮しても官報に載せる理由が理解できません。

【ご回答】~弁護士(新潟市・新潟県)から~

官報公告の意味

個人再生や破産手続きを開始すると、「官報」に「公告」されます。

公告」とは、「」(おおやけ、社会一般の不特定多数人)に「」げることを言います。

官報上、例えば、個人再生については、個人再生手続きが開始されたことが「公告」されます。

以下は、仮名等、架空の事件です。

 「小規模個人再生による再生手続開始」

  平成30年(再イ)第1234号

  東京都武蔵野市中町1丁目13番3号

  再生債務者  新潟 五郎

  1 決定年月日時 平成30年3月25日午後1時

  2 主文 再生債務者について小規模個人再生による再生手続を開始する。

  3 再生債権の届出期間 平成30年4月22日まで

  4 一般異議申述期間 平成30年5月7日から平成31年5月20日まで

   
                         東京地方裁判所民事第20部

官報公告の意義(効果)

上記のような事項を公告することで、これを読んだ人が、

「ああ、上記の新潟さんは再生手続きを開始したんだなあ」

「ちょっと、どうなるか分からないから、新潟さんと取引するのは注意しよう」

「新潟さんにはお金は貸さないようにしよう」

と注意をするとか、

「あれっ?新潟さんに金貸しているんだけど、俺には何も言わずに再生とかしている!」

「新潟さん、金も返さないで、音信不通だったのに、なんで俺に連絡しないの?」

と債権者を掘り起こす等の効果を狙っています。

官報公告の実際の公告

債権者の発見の効果

ただ、新潟さんが個人再生を申し立てる場合には、新潟さんが自らが、

どの債権者に対して、

どのような債務を負っているのか、

ということを裁判所に告げて(「債権者一覧表」という書類を添付して提出します。)申し立てをします。

それを見た裁判所は、債権者に対して、債権調査票を送ります。

債権者が判明するのは、大体がこの自らの申告によるものです。

「官報見て、分かったんですけど、俺は新潟さんに金を貸して返してもらっていない債権者です!」

と裁判所に連絡してくる人はまずいません。

債務者との取引の注意喚起の効果

また、注意喚起の点についても、

取引先だって、毎日毎日、官報チェックをして、

「この人、大丈夫かなあ」、

「個人再生とか破産とかしていないかなあ」

などと見張るほどの、時間と費用と労力をかけていられません。

債権者としては、大体、支払いが悪くなるまで、注意できません。

支払いが悪くなってくると、電話、メール、SNSなどで連絡します。

そして、その返事が鈍くなると、実際に家や事務所を訪問したりします。

ただ、そうこうしているうちに、弁護士か、場合によっては司法書士が受任した旨の連絡があります。

さらには、裁判所から個人再生を介した旨の通知が来ます。

このような段階を経て個人再生が開始したことを知るのが通常です。

何が言いたいかと言いますと、そもそも、官報に掲載される以前に、注意喚起してもらわないと、債権者としては注意喚起の意味がないのです。

官報公告と名誉・プライバシーの関係

個人再生をしているなどという情報を開示するのは、おっしゃる通りで、名誉棄損であり、プライバシーの侵害です。

ただ、官報掲載することが法律上認められているので、法に定めた例外ということで、それが許容されています。

というよりも、官報に掲載するにもお金がいりますが、そのお金(官報掲載費用)を個人再生を申し立てる人自身が納めなければならないとされているのです。

まとめますと、わざわざ、費用をかけて官報に名誉棄損であり、プライバシーの侵害となる情報を官報にわざわざ載せる意味は、その実態に鑑みた効果を踏まえると、まずない、と言ってよいでしょう。

~いかがでしたでしょうか。以上、弁護士(新潟市・新潟県)から、官報公告の意義について、ご説明いたしました~

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